いつか

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「・・・そのようなことする必要はない。そなたの性ではあらぬ。」 李狛はそういうと片膝をつき、地に両手を着く螢蒔に視線を合わした。 「だけど・・あいつは俺の言葉を信じて・・・人と契約を交わした。・・・俺の性だ。」 「もう申すな、螢蒔・・そなたがそのように己を責める事を我が妹は消して望んではいない。」 「さあ、螢蒔我が妹に祈りを捧げてくれ。それこそ、我が妹が望む事柄じゃ。」 李狛は優しく微笑みそういうと螢蒔の手を取り立たせ、結晶の前へと螢蒔を促した。 結晶の前には、朔恋の父と母それに親族のもの達がいた。 詫びの言葉もなく、側に立ち尽くす。 「待ってましたよ?火の若君・・我が娘にどうぞ、お会いください。」 母親は微笑み道を開けた。 愛しい我が子を失う、その原因を作ったともいえる自分に向けられた優しい言葉、己の耳を疑った。 「朔恋・・・」 螢蒔は青色に輝く小さな結晶の前に跪き、結晶を見つめた。 彼が側にきたその時結晶の輝きが少し増したように見えた。 「朔恋・・・迎えてくれるのか?」 「螢蒔・・・我が妹はそなたを愛していた。」 隣に立っていた李狛は結晶からけして目を離さずそう唱えた。 螢蒔もずっと伝えたかった気持ちを声に出した。 「俺も・・・朔恋を愛していた。」
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