戦うことを

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戦うことを

龍の谷は切り立った山脈の山の内部にある。 出入り口は一番高い山の火口、その付近には姿を消した。 龍の戦士達が随時飛び交い、侵入者を防いでいた。 戦士達は主に風龍と火龍の若者達だ。 他の種族は谷の内部の警備にあたっている。 水は生み育てる者達、樹は共に歩む者達、地は支え力を貸す者達、風は何者にも縛られぬ者達、そして、火は戦い守る者達・・・。 「空が燃えてる・・・。また、一つ国が滅びた。」 螢蒔は山脈から少し離れた空中から、燃えるように赤い夕日を眺めていた。 「何故そんな風にいうんです?綺麗な夕焼けじゃないですか・・・。」 螢蒔の隣にいたのは朔恋だった。 この二人が一緒にいることはあまり見ることはない、螢蒔は李狛と共にいることが大半で、そのほかに側にいるものは灯敬と相場は決まっていた。 しかし、最近になり、螢蒔が朔恋と二人きりで話している場面を何人かの龍が目撃していた。 大抵は、螢蒔の後を朔恋が追いかけている形なのだが、二人の距離は確実に縮まっていた。
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