あフたー・すとーりー

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俺が歩くとジャンは足に引っ付いて離れなかった。まったく、歩きにくいったらありゃしない。ま、良いか。 「やっぱり、ダメだ。多分、皆電話してるんだよな」 俺は廊下で小さく舌打ちをした。それから、大人しいジャンを小脇に抱えて居間に戻った。 「電話、繋がらなかったのかい?」 「ダメみたいだ」 俺はまた、さっきと同じ場所に腰を下ろした。勿論、ジャンは膝の上だ。ぐるぐる動かして、酔ったらゴメンな。 「んじゃ、今日はゆっくりしてけば良い。明日がダメでも明後日があるだろ?ずっと、いても良いんだぞ?」 俺はこの言葉を待っていたんだ。ズルいかもしれないけど、自分から泊まって良いかなんて聞けなかった。ずっと、音信不通だったダメな息子なんだから。 「ありがとう。お言葉に甘えて」 「この家は広いからな、部屋なんて沢山あるさ」 この家は一階建てなのに本当に広い。この家に二人で住んでたんだな、と思いながら天井を見上げた。
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