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長い沈黙を破ったのは、イケ長の方だった。何とも余裕ぶった口調で話し始める。
「やってくれなければ、君に辞めて貰わなければならなくなるが……、いいかな?」
なんだって?そりゃズルいぜ編集長。クビ?入社一年目で俺はクビなの?まったくお早い選択だぜ。
鈴木先生が黒猫出版を支えてるのは知っている。だけど、こうなるのはおかしくないか?不景気で人員削減か?
入社一年目のひよっこの俺からしたらめちゃくちゃ凄い人なんだろうけどさ。
俺に選択肢は二つしかないの?でもさ、よく考えてみよう。
"若くして仕事を失った長谷川神御くんは、暮らしていけなくなり、死にました"と"鈴木太郎先生のところに行って、長谷川神御くんは魂を取られて死にました"って、どっちも死ぬんだよ、俺。
結末は一緒じゃんか。
だからさ、鈴木先生。頼むから、俺の仕事を取るのはやめてくれ。
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