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綾「ここだぁ。」
又「ここだね。」
綾「俺らが、一番みたいだなぁ。」
又「うん。何で10年桜って名前がついたかぁ知ってる?」
綾「分かんねぇ。」
又「ある年の春に、この駅にこの看板が出来ていて、仕事で訪れていた僕らの先輩が桜の花びらの形の紙に願い事を書いていって、願いが叶ったって言うらしいでぇ。で、書いた願い事が10年後も、相方とお笑いをやってますように。ずっと一緒にいれますように。って書いたらしくて。そこから、この看板の桜の木の名前が10年桜の由来になったって。」
綾「そうなんだぁ。お前、詳しいなぁ。」
又「うん。最近、みんなの間で、話題やでぇ。10年桜。お前、知らんの?」
綾「あぁ。」
又「女性ばかりの事しか考えてへんから。こういう話題に疎くなるんや。」
綾「うるさい。でどういう風に書くんだ。これ。」
又「ここに桜の花びらの形の紙があるやろ。ここに自分の願い事書いて、この看板に貼るんやって。」
綾「へぇ。」
又「書こう。」
綾「うん。」
数十分後。
綾「書いたかぁ。又吉。」
又「うん。書いたでぇ。綾部も書いた?」
綾「うん。俺も書いた。」
こうして、願い事を書いた桜の花びらの紙を看板に貼った二人は、お互いの願い事を見て驚いた。そこには、ずっとお笑いをやれますように。一緒にいれますように。と書いてあり、二人は、顔を見つめ、真っ赤になり、
綾「お互い、同じ事考えたみたいだなぁ。」
又「うん・・・。」
綾「なぁ。お互いに、おじいちゃんになるまで、ずっと一緒にいようなぁ。」
又「うん。ずっと芸人やって、みんなの事笑わせていこう。」
綾「うん。帰ろうかぁ。」
こうして、綾部は又吉の手を握り、帰っていった。2枚の桜の花びらが貼られ、そしてまた、別の芸人が現れるのであった。
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