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「ご主人様ぁ……こっち向いてくださいぃ……」
「……」
そういえば出会った頃はツンツンしてたけど、最近はめっきり棘が取れた気がする。
プイッとそっぽを向く俺に彼女、羽炭 音々(ハネスミ ネオン)は泣き付くように背から声をかける。けど俺は応じない。
……本当は振り向きたいけど。だって振り向けばそこにはメイド服姿の従者がいるんだもん。
俺の好みを把握している音々は、しっかり長い丈と胸元がセクシーなメイド服を着用しているだろう。
メイド服は長い丈が基本だよな! 短いのもTPOによってはいいけど。というか長い丈しか買わせてない。あと胸が首筋に当たってるから感触で分かる。
「ご主人様……私の事嫌いになっちゃったんですか?」
「……」
「私……ご主人様がいないと……何もできない……」
まぁ文字通りね。だって従者だもん。俺が命令しないと動けないもん。
でも今回は許さない。
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