始まり

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「実は私も嫌いだからってその理由だけじゃないんだけどね。ま、皆それぞれ政府に対しては不満不振、逆に信頼信仰…。 意見が真っ二つに分かれる程に様々な意見がある。 自由が利かなくなったのよ、今の政府になってから」 確かに言われてみれば彼女の言う通りである。 現在の人間界を治めるのは人間界中央に城を構えるドゥーガ政権。 ドゥーガは前政権のチェルファから奪うように政権を略奪し、自らの欲望のまま世界を動かして行った。 その結果が今の人間界の衰退と考えられている。 財力と権力で世界を操る政治は富欲層ににとても支持が厚いが、庶民層には嫌われ者だった。 だが庶民層の中には表だって悪口を言うものはいない。いや、言えないのだろう。 自らの命がかかっているのだから。 「こんな郊外に住んでれば、ドゥーガの話を聞かないで済む。そんな人間がここらには集まって居るんだろうな…。 でも…」 「でも?」 「いや、なんでもないよ」 エルは言葉を濁した。 これ以上は何を聞いても返答は無さそうだった。 と、丁度よいタイミングで食事が運ばれてきた。 二人は何事も無かったように食事を始めたのだった。
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