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夜が更け、人間界の光が徐々に消えて来た頃、政府の拠点である王城があるルケア城下町では不穏な動きが。
「…いい?今回の目的はドゥーガではなく、チェルファ様の救出。または居場所の特定よ」
既に町の電気は落とされており、付いているのは城の極一部だけ。
町外れの路地でその会話はあった。
「御意でございます。では俺は城の地下牢から」
「私は城の離れから」
そして月明かりに照らされた二人の影は一瞬にして消えた。
二つの影の内一つは城の離れにそびえ立つ塔であった。
城とは長い空中廊下でしか繋がっていない為、侵入経路は一つしかないが影は塔の壁面にあった。
(…ドゥーガが王位に就いてから新しく建てられてるから可能性は高いのだけれど…)
女の影は少しずつだがその壁を登る。
上を見上げれば灯りの漏れる部屋と思われる場所が確認できる。
程なくして彼女は窓に手をかけそっと中の様子を伺った。
すると…そこには…。
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