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「私なら…大丈夫ですから」
沖田の思っていることに気付いた葵は、
斉藤の腕を掴んでいる沖田の手を、そっと剥がして静かに言った
「………貴女って人は……」
そんな葵を見て、静かに呟くとニッコリと微笑む
「わかりましたよ……
ただし、何かあったら言うのですよ?」
沖田を見て、頷いた後、葵は斉藤に何処かへ連れて行かれた
「一さん……お願いがあるんです」
斉藤と葵は今、葵の部屋にいる
監禁令は、約1週間でその間は、幹部が交代で監視するという事らしい
葵には、なぜ自分に監禁令が出たのか…
その理由はわかりきっていた
そして、近いうちに自分が自分でなくなる事も…
「何だ?」
あまり人に頼ろうとしない葵からの頼み事
それは、思いも寄らないものだった
「……私が私で無くなった時、私を殺して下さい」
「………どういう事だ」
沖田などなら冗談に受け取っただろう
だが、斉藤は冗談には受け取らなかった
いや、受け取れなかったのかもしれない
…………葵の目は、
まるで自分の死期を悟ったかのような…
闇を宿していたから……───
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