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例1
この街は、この巨大な銀行によって支配されている。
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例1を見て、なにか引っかかると感じませんでしたか?
そう、ひっかかりの正体は「この」の重複です。
先ほどから述べている通り、「この」は<限定>という役割を利用して強調を行っているんでしたね。
それを踏まえて、例1の文を見てみましょう。この文において強調されているのは、「街」と「巨大な銀行」です。もっと細かく言えば、「巨大」という言葉とも言えるでしょう。
つまり、一文において2つの要素が強調されているのです。
強調表現とは、他の要素よりもある特定の要素を目立たせる表現のことを言います。
しかし、例1の文だと、2つの要素がどちらも目立たせてしまっているのです。
おわかりでしょうか。同じ文の中に目立ちたがりが2人いるのです。
ベタなバトル漫画とかでこういうセリフがありますよね。
「この世界に王者は二人いらねえんだよ!」
まさに、例1はこんな感じなんです。
お分かりかと思いますが、強調された「街」と「巨大な銀行」という2つの要素が喧嘩してしまっていて、最終的にどちらも目立っていないのです。
これは強調表現の意味がありません。
次ページでは、どう改善していくのかを考えていきましょう。
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