兄弟喧嘩―(辰+鉄

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   「辰兄が、わりぃんだからな」    帰らねぇ。辰兄がごめんって、    一緒に帰ろうって言うまで俺は    意地でも帰らないつもりでいた    。だけど    「‥さみぃ」    早く迎えこいよ。いつもみたい    に涙目になりながら心配すれば    いいんだ。    「俺は帰らないからな」    呟いたのは心が折れてしまわぬ    ように。    (原因は何だったっけ。)    「どうしたんだ、鉄!!」    「何でもない」    傷だらけの顔を見て辰兄が飛    んできた。(どうして鉄は傷    だらけだったのだろう)    「何でもないってお前‥!!」    「辰兄には関係ないから」    関係ないと言われてしまった    。(本当は関係あるんだけど    意地張ってみたんだ)    「学校で何があったんだ!!」    「参観日だよ」    いきなりだったから辰兄は驚    いてたなァ。(話が噛み合って    いなかった気がする)    「参観日って‥‥」    鉄はその時俺を睨んだつもり    なのだろう。涙目だったけど    。(辰兄は俺の睨みに怯んで    たな)    「‥しょうがねぇもんな!!親    いねぇし参観日なんか付き合    ってらんねぇよな!!」    本当はそんなこと思ってなか    ったけど何だか哀しくって、    自棄になった。自分が憎い。    (鉄は本当にそう思って悩ん    でいたのだろうか)    「鉄ッ!それはちが「ちがわ    ねぇよ!!現に辰兄は来なかっ    たじゃねぇかよ!」    本当に本当に鉄が泣きそうだ    ったからどうしていいのか分    からなかった。(怒鳴ったか    らかな、辰兄は泣きそうだっ    た)  
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