762人が本棚に入れています
本棚に追加
「好きです」
「え?」
思わず聞き返した
「真坂が、好きです」
狼は真面目な顔で言った
「一年の時から、好きでした」
狼はまた切な気に瞳を伏せて言った
「オレの事、好きにならなくていい。だから、オレと付き合って下さい」
自信なさげに言うと狼はそっと祐を除きこむように見た
「駄目、か?」
あまりに突然の出来事に祐は思わず口走った
「いい…よ?」
その途端狼の目が驚きで見開かれる
「いい…のか?」
祐はゆっくりと頷いた
すると狼の顔がパッと明るくなった
「やった!!まじかよ!?」
狼は喧嘩番長なんて名が不釣り合いなほど優しい少年の顔をした
「ありがとう」
しかし祐はハッとして言った
「で、でも好きって訳じゃ」
狼は祐の言葉を遮る様に頷いた
「分かってる。他のやつらにも言わなくていい。だけど」
そこまで言うと狼はイキナリ祐を抱き締めた
「惚れさせるから覚悟してね?」
悪戯っぽいような、どこか嬉しそうな声が祐の上から降ってきた
最初のコメントを投稿しよう!