甘党、一匹狼と出会う

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「ん?俺の事知らない?」 狼は首をかしげ近づいてくる 「あ、いや折合君だよね?同じクラスの」 怖くて少し後退りしてしまう 「そそ、折合狼。お前真坂祐だろ?」 狼は近づくことを止めずに話続ける 「よく知ってるね、僕の事なんか」 自分も下がる事を止めないというか止められない 「まぁ一応クラスメイトだし」 「そっか、そうだよね!でも折合君「てかさ」」 イキナリ言葉を遮り狼はスッと目を細めた その時自分の足にカツン、と壁の存在を知らせる音がなった 「いつまで逃げるの?」 体が強張った 『ヤバい』 そう思った 「それにその紙何?」 反射的に紙を隠した 「いや?何でもないよ?」 「だったらなんで隠したの?」 狼は口角を上げ、一気に祐との距離を縮めた 「っ!」 思わず息を飲んでしまった 目の前にあの折合狼がいる しかし狼はそれを気にも止めずヒョイと手をつかみ上げると紙を奪った 「ってあぁ?!紙さんが!!」 奪い返そうと手を出すがヒョイヒョイと避けられ終いには手を上に上げられてしまった 身長160とない自分には180あるであろう少年の手は遠すぎた 「かみさん!!返したまえ折合君!!」 しかし狼はニヤリと笑うと 「見たらね?」 と言い紙を見てしまった 祐は諦めて肩を落とした 「まぁ今年の相方決めのやつだし、いいんだけどさ…」 しかし、狼の様子が少しおかしい。 きになり声をかける 「折合君…?」 すると狼は複雑そうな顔をしていった 「あのさ…真坂」 「ん?」 「この相手、オレだ」
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