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「真坂」
「は、はい?」
何事かと思い狼を不安そうに
見る祐
狼は淡々と言う
「2時限目の休み時間屋上」
「え?あぁ、うん…」
祐は戸惑いつつも返事をすると
狼はくるりと後ろを向いて
教室を出ていった
「ゆ、祐…」
「大丈夫…?」
紗弥加と来、さらにはクラスメイトのみんなも
不安そうに祐を見る
「あはははは…はぁ……」
祐は深い溜め息をついた
《キーンコーンカーンコーン》
死の宣告を告げる2時限目終了のチャイムが鳴り響いた
「まって祐!私を置いて死なないで!!」
「ま、まぁまぁ紗弥加落ち着いて…」
紗弥加を来が制する
そのうちに祐は屋上へと向かおうとする、と
「祐」
不意に真剣味を帯びた声がした
振り替えると来が真剣な目で祐を見ていた
「何かあったら呼んでね?」
祐は了解の代わりにフッと口元を緩めた
《ガチャ…》
屋上の重々しいドアを開けると風が吹き抜けた
祐は屋上に踏み込んで辺りを見回した
「こっち。真坂」
すると貯水タンクがあるドアの上に狼が座り込んでいた
「や、やぁ折合君…」
祐は敬礼して狼を仰ぎ見た
「今降りる。ちょいまち」
すると狼は慣れた感じで降りてきた
「で…話って…」
祐が恐る恐る。聞くと狼は「あぁ…」と呟いてポッケを漁った
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