表裏一体の想い

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「でも―――」 「なぁ。」 私の双眸を見据えた彼は私の言葉を遮る。そしてその後の言葉を繋げる。 「エレナは自分を卑下し過ぎてるんじゃないか?」 「そんな事ないわよ!」 「……本当に?」 反論する私に彼は更に問い質す。私を見つめる彼の双眸はより強く私を見つめる。 『本当に?』彼のその言葉が自分の心の中で復唱される。 私はもしかしたら知らず知らずの内に自分を卑下し過ぎてしまっていたのかもしれない。 「私はただ……、ただ……。」 ただ、何だったのだろう? 自分の心は返事をしてくれない。 「さっきオレは、人の冷たさなんて霞んで消えてしまう程の暖かさを持ってるレオン達が好きだって話したよね?」 徐に彼は笑顔を浮かべて此方に一歩、歩を進めた。 その笑顔は一面白銀のこの場所で春の木漏れ日の様に輝いている。 風で流れる髪を手で押さえる。彼との距離は1メートル。
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