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太陽が、金色の光で世界を優しく包み込む。
目前では、幾多の雲が太陽の光を浴び、七色に輝いている。
彼は、足元をのぞきこんだ。
眼下には、青い海と、緑や茶の色をした大地が広がっている。
彼が今立っているのは崖。それも、一歩でも足を踏み出せば落ちてしまいそうな位ギリギリの場所だ。
彼は、下を見たまま両手を広げ、全身で風を感じる。
肩までかかる銀髪は風になびき、背中から生えた驚くほど純白な翼は、ゆらゆらと揺れる。
彼は、何かを探すように足元に広がる世界を凝視した。
そして――――
――――大地に向かい、落ちて行った。
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