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「……なんで顔から?」
「だって、手で掘ってたんだもん。ホラ」
と見せる手は、傷だらけである。
「ったく、無茶をする。とりあえず危ないからやめとけ、それ、これからは」
「あ……うん……」
「どうした?」
心なしか、声に元気がない。
「え、ううん……えっと。心配、してくれてるん、だよね」
「当たり前だ」
天然の気があるのは知っていたが、このときにこれじゃ放っては置けない。
まぁ、どの道この状況でせっかく出会えたのを放っておくつもりはないが、コイツは特別心配かもしれないからな。
「うん……ありがとう」
さっきとうって変わって、今度は何だか元気な声になる。
彼女の中でどんな心理の動きがあったのかは知らないが、まぁ、シュンとされているよりはいいのだろうか。
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