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「なるほど、利害でも信頼でもないが、どちらでもある関係、ねぇ。いいよ、僕はどの道最初から賛成だ。テキトーにフォロー入れつつ基本は君に任せよう」
「わ、私も……」
「俺もだ、さっきも似たようなこといったが難しいことは判らんからな」
「不本意ながら、私も賛成するわよ。一人でもやってけるとは思うけど、荷物があるからね」
メンバーは概ね、賛成のようだ。
問題は、あと一人。
「お、おいっ! 荷物ってのはどういう意味だよ!?」
……この二人は、本当に付き合っているのか?
などと、半ば本気で疑問に思いつつ、ヘタレ男に向き合う。
「お前は、どうだ? 反対というなら、お前の意見を聞かせてほしい。
俺は全員で協力すべきだと思うし、全員が納得しなければ成り立たないことだと思うからな。納得できるまで、付き合おう」
「……はぁ、」
ため息が漏れる。
彼女のほうを向いていた体が、こちらを向く。
頭を抱えるようにしながら、しばらくぶつぶつ言って、
「……仕方ないじゃんか。一人で何とかなるわけないし、彼女も賛成って言ってるし」
「それでお前は本当にいいのか」
「だってさ……!
……ああ、もう。判ったよチクショウ!
お前に文句言ったのはなんとなくシャクだっただけ、協力に文句言ったのは単なる人見知りだよ! 本当はお前の意見が妥当だってわかってる」
「そうか、なら……」
「…………賛成に一票、だ」
「決まりだね。満場一致だ」
スーツ男が一言つぶやく。
これで、全員が賛成。
ともに生きる仲間が六人になった。
俺たちは盟を結ぶ。
全員で協力し、全員で生き抜くことに全力をかけると。
これでようやくスタートライン。
盟友(なかま)たちとともに歩む戦いは、これからが本番だ―――。
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