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「さて。いきなり難易度が高いことだ」
俺のスペック。
高校生。男子。体格:慎重172cm 、体重60kg、並。体力:人並みよりやや上。知力:多分同左。
特殊能力:あるわけない。戦う術:やはりなし。
相手のスペック。
超常現象。天災。人型。
見る限り俺と同等の体格。しかし全身が黒い影のようなもので覆われており、詳細不明。
……なかなかに悲惨なものだ。
これが漫画か何かの主人公であれば、俺にも何らかの特殊能力が備わってたりするものだが、残念ながらああいうのはフィクションならではのものだ。
「……とはいえ、目の前でフィクションまがいなコトが起きているんだよな」
信じがたいことに。
目の前のソイツ……仮に、"影"とでも呼んでおくか。
安易だが、こういう場合わかりやすいほうがいいだろう。
その"影"が、街を破壊しているその瞬間を、俺はさっき目撃している。
衝撃派だとか、波動だとか、漫画でいうとその辺なんだろうか。
"影"を中心に青い光が波紋のように広がり、次の瞬間、まるで大地震でも来たかのような大きな揺れ。
近くの建物は倒壊し、瓦礫の山に。
運だけはいいのか、俺は巻き込まれずにすんだが、揺れから立ち直って見ると"影"が目の前にいた。
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