第一話 "災害"

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"影"がもたらす災害が、さっきの揺れのようなモノなのだとしたら、距離さえ離せば後は通常の地震と似たようなもの……なのかもしれない。 逆に、近くに居続けた場合。 言い伝えには、『遭えば最期』とだけある。 それが、どういう解釈を持って成り立つ記述なのかはわからない。 が、"影"がこの災害を巻き起こす中心である以上、そばに居ないほうがいい可能性のほうが高いだろう。 ……問題は、無事に引き離しきれるか、だが。 「…………」 更に数歩。 距離はおよそ6m。 どこまで下がれば安心なのかの目算も立たない。 いっそ走って一気に距離を離してしまえればその方が有効なのかもしれない。 だが、あの"影"に背中を向けても大丈夫なものなのか。 それすら判断でき……、 「…………!?」
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