第一話 "災害"

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「……無事だったか」 「無事だったかじゃな……アレ?」 手を振り上げながら途中で停止した制服メガネ女は、俺の幼馴染だ。 スペック:頭脳派、体力なし、やや気弱。備考:巨乳。 ちなみに『やや気弱』というのは、今のような咄嗟の反応は威勢が良くなるが、大体が尻すぼみだったりする。普段はもうぜんぜん。 「あ……無事だったんだぁ、良かったぁ……」 涙目である。 かくいう俺も、非常時に良く知った相手を発見できて、かなりの安心感を覚えていた。 「……ところで、何であんな格好で寝てたんだ。見たところ、埋もれて出てこれなかったわけじゃなさそうだが」 あんな格好、とは、顔を含む上半身が瓦礫の中に埋もれ、下半身が地表に出ている状態である。 ちなみに俺が触っていたのは、太ももの辺りだ。
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