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「ただいまぁーぁ」
雨が津々と降り注ぐ6月某日、その人は太陽のような真っ赤な顔に、どこぞの安いネクタイを頭に付け帰って来た。
全く……お酒は程々にっていつも言ってるのに……はあ…聞く気はないのか…
あ、これ姉さんです。そして綺麗です。胸もやけにあります。抱き締めたいです。……すいません。今のなしで……
身長は普通の女性よりやや高いです。髪も長く腰まであって、少しパーマがかかっています。えっ? 年齢ですか? まだムチム……ピチピチ21歳です。
「もうちゃん!お姉さんを見て鼻の下を伸ばさないの!」
どうやらだいぶ出来上がってらっしゃる。
こういうのは質が悪い。
なんたって寝たら記憶何て、貸した10円みたく忘れ去られてしまう。
「もう!そんなもうちゃんには!キスしちゃうぞ!」
願ったり叶ったりでぇーす!
この頬の暖かみで、フルマラソンだって完走できるぜ!
ん? 何だ? あの布袋?
「あ 姉さん。その袋は何?」
これが地獄の始まりだったと知るのには、だいたい3日と掛からなかった。
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