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肩程まである綺麗な茶髪。背も高く俺が言うのもなんだが、抜群のスタイル。
色気讃える切れ長の瞳は、時にきつく見られるが、本人はそんな刺々しい性格ではない。
間違いなくお袋似だろう。
俺は間違いなく親父似だが。
同じ姉弟でもこんなにパーツの差が出ると、詐欺にでもあったかのようだ。
俺って、精子バンクから連れてこられたんじゃねぇよな?本気で悩んだ時期もあったよ。
……でも俺はモロがつく程の親父似である。
親父の生き写しのような自分に、泣きたくなってくる今日この頃。
己のチンケさに嫌気がさしていると、姉貴はようやく俺を捉えたようだ。
見るなり急に噴き出したかと思うと、指差しながら大爆笑。
「いつの間にかカリメロ立ってるよ!」
第一声がそれかよっ!唯一の可愛い弟に対してカリメロは酷くねぇか!?
確かに頭のシルエットは似てるかもしれないけども、あっちは卵の殻。
あんな白黒時代の地球外生命体と一緒にされるなんて、そろそろ絶命したほうがいいのだろうか。
……でもこういう人なんだよね、この人。
俺を笑いの対象としか見ていないんだよ。
いや、学校でも笑いの対象なんだから、あんたの気持ちもわからんでもないが、俺は悲しいよ?
だって家族にまでそんな扱い受けてたら、要は死ねってことじゃん?
自分の存在意義を真剣に自問してしまうわ。
ビールを口から撒き散らしながら、ひーひー言っている姉貴。
とても他人には見せられない痴態である。
呆れながら嘆息一つ。
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