240人が本棚に入れています
本棚に追加
「姉貴、今日は早いんだな。仕事早く終わったの?」
「うっせカス」
酷っ……
「……どうでもいいけどさ、毎回飲み過ぎてるといい加減、肝臓やられちまうぞ?」
「かたいこというなよぉ~~。これがわたしのいきるみちなんだからぁ」
「あぁ、もうっ……酒臭っせぇなぁ。
いいから、さっさと片付ける。腹減ってんだ、飯にしてくれ」
うんざりした口調で、姉貴の周りにある空き缶を片付け始める。
そんな俺に姉貴がチンピラのように絡んでくる。
「なんだぁ?そのわたしのだんなさまきどりのせりふはぁ~~……。カリメロのくせによぉ」
「カリメロで悪かったな」
「悪いと思うなら死んで」
「それ、禁句だろ!?」
やっぱりか!やっぱりそうなのか!?
しかも今の台詞だけ妙に発音しっかりしてたな!?
姉貴は冗談冗談と言いながらも、背中を反りながら大笑い中。
ひとしきり笑い終えた後、とんでもないことを口走った。
「ごっめん。じつはわたしかいしゃにさいふわすれちゃってぇ~~。なにもかってこれなかったんだよぉ。
だからきょうはめしぬき~~。ごめんね☆」
「ごめんね☆じゃねぇよ!自分でビール買い占めたからじゃ
ないのか!?」
「やべ、ばれた?」
「あんたマジで俺を殺すつもりじゃなかろうな!?」
「カリメロだまれよ~。だいじょうぶ、だいじょ~ぶ。れいぞーこになんかあるっしょ?みてみそ」
「ぐうぅっ……!」
奥歯を噛み締めながら、とりあえず従うことにする。恐る恐る冷蔵庫を開けてみる。
中身は空っぽ。
「ウケる~!なんもねぇし~!」
「お前がウケるな!この確信犯!」
なんだか目眩がしてきた。
最初のコメントを投稿しよう!