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最後の希望を捨てずに棚を全て覗いてみるが、インスタント食品はおろか、菓子の一つも存在しなかった。
あるのはお茶っ葉くらいなもの。
脱力した俺は仕方なく、残りのお小遣いで夜飯を買いに行くことにした。
「カリメロおつかれ~~」
大袈裟に手を振る姉貴に頭を抱えながら、俺はリビングを後にした。
そして、途中で財布を無くしたことに気付き、エロ自販機までの道程を戻るが、結局見つからなかった。
ここまで不幸が極まると、もはやどうでもよくなってくる。
俺は空腹を紛らわすために、早めに布団を被ることにした。
††††††
日付けが変わった深夜二時。
中途半端な時間に目を覚ましてしまったがために、空腹が再発。
胃の痛みに耐え切れず、せめて水分でも取ろうと布団から起き上がった時、俺は思い出した。
そうだ――
姫ラーメン――あれがあったではないか。
三千円で買ったカップラが、こんなところで活躍するなんて。
やはり神様は俺を見捨ててはいなかったのだ。
エロ自販機様。ありがとう。
早速中身を開封する。
やはり至って普通のカップラだ。味は醤油らしい。
正直豚骨のほうがよかったが、背に腹は代えられない。
俺はかやくを解き放つと、リビングにあるキッチンまで降りた。
キッチンのテーブルに広がる空き缶の山を睨みつけながら、溜め息。
やかんでお湯を沸かしている間に、テーブルを片付ける。
ちょうど片付け終わる頃には沸騰したので、カップラに注いでリビングを出た。
カップラを手に自分の部屋がある二階へと戻る途中で、一階にある姉貴の部屋に説教でも垂れに行こうかと迷ったが、時間上、諦めることにした。
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