240人が本棚に入れています
本棚に追加
「えっと…………、なに?」
「わたくしのことは姫とお呼び下さい。ちなみにわたくし、全五種類のうちにある唯一のシークレットなので、かなりレアですよ?」
そんなこと聞いてねぇよ……
女の子の言っている意味を理解しようと試みる。
つまりはあれだ。
「あのさ………」
「はい?」
「アホ?」
「ず、随分とストレートな……。ご主人様も人が悪いです」
俺は立ち上がり、大きく深呼吸をする。
疲れた頭を自覚しながらも、女の子に告げなくてはならなかった。
自分の胸に手を当てて、しばし落ち着かせる。そしてゆっくりと息を吸い込み……
「馬鹿かお前ーーっ!!」
一気に吐き出した。
女の子はぶったまげて、思わずひっくり返りそうになる。
頭に乗せているカップラのつゆが零れないように、両手でしっかり押さえながら。
涙目で非難がましい視線を俺に向けてくる。
「なんなのですか急に……。あ、もしかして小便でしょうか?」
「違ぇよ!」
小便て、お前それでも自称姫様かよ!変な勘違いはともかく、女の子がそんな言葉遣いあかんだろ。
「お前いい加減にしろ!」
「なにが、でしょうか?」
「キョトンとしてんじゃねぇ!訳わかんねぇこと言いやがって!
幾ら意味不明な設定で俺を丸め込もうとしても、お前の罪は変わらねぇんだよ!」
「い、意味不明ではありません!何度も申しますが、わたくし、姫ラーメンシリーズ第一弾、麺姫降臨編のシークレット、麺姫でございます。
これからは拾い主であるご主人様のもとに、仕えますので」
「それが意味不明なんだよ!この電波コスプレ女がっ!」
最初のコメントを投稿しよう!