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仕えますのでって強制かよ。しかも拾い主とか、誤解を生みそうな言い方しやがる。
俺は拾ったのではなく、買ったのだ。
あっ――――そっちのほうが、意味合い的にあぶねぇな、くそっ……
俺は息を切らしながらも、怒鳴り続ける。
「とっにかく!んなことはどうでもいい!今から通報すっから、じっとしてろよ!?」
「通報?」
「警察を呼ぶんだよ警察を」
「警察を呼んでどうなさるおつもりですか?」
「お前を逮捕してもらうんだろうが、この泥棒」
「わ、わたくしは何度も言いますが、泥棒ではありませんよ!?」
「人の家荒らしといてなにが泥棒ではありませんよ!?だ!」
「いやいや、それは半分ご主人様のせいですから!」
「被害者を強引に共犯扱いすんな!つか、いつまで頭にそんなもん乗せてる気だ変態!
てか、絶妙なバランスだな!?」
「あ……ありがとうございます」
「なに赤くなっちゃってんの!?褒めてねぇっ!」
空腹も手伝って、女の子相手にエキサイトする俺。
もはやこいつ、女とも思うまい。こいつは泥棒。それしかねぇ。
埒が明かないと思い、自分の携帯をポケットから取り出した。番号を押し耳に当てる。
「あ、すいません警察の方ですか?実はうちに今、泥ぼ――」
携帯を女の子に払い落とされた。
「なにしやがる!?」
「ご乱心なされているのはご主人様じゃないですか!警察だなんて、幾らなんでも酷いですっ……」
めそめそ泣きはじめるカップラ女。
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