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お前の秘密を知りたいのは山々なんだがな。
如何せんどうしようもないくらい、気になるものが出来てしまったんだ。
三日前まではしおり以外に考えられなかったが、この衝動は今まで味わったことのない別次元からくるものだった。
済まないと思う。
この急な好奇心を止められそうにない。
だけど、ちゃんと最後まで悩むつもりだ。
その為に『人差し指の神様』は存在するのだから。
来月のお小遣いまで残り十一日。残金三千五百円。
自販機のブツALL三千円。なにを選んでも残金は五百円。
失敗は許されない。
沈思。難渋。そして――
時刻は午後七時。
辺りに人が通り過ぎる気配はない。
車が通過していく騒音も今は聞こえない。暗闇に全てが同化する。
時はきた――――
「か み さ ま の い う と お り あ べ べ の べ」
指し示したブツはやはり『しおり』ではなかった。
これはもしかしたら、神様の暗示なのかもしれない。
新しいなにかの前触れを予感させるような。そんな感覚。
俺は迷いに蓋をする。
がこんっ――
それが俺と『姫ラーメン』との出会いだった――――
††††††
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