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この事態を皆理解していないと思うので、最初から端的に説明しよう。
俺は数日前からエロ自販機でなにを買うか迷っていたわけだ。
しかし、第一希望は三日前に『しおり』と決めていたわけだ。
がしかし、今日『しおり』の隣に新商品が並んでいたわけだ。
あぁ。悩んだわけさ。
その結果がこんなわけさ。
「はぁ……」
だってさ。だってだよ?エロ自販機で三千円のカップラーメンが売ってるんだよ?
『姫ラーメン』とか訳わからないネーミングで。
……いや、白状すると容器に映ってる十二単(じゅうにひとえ)の可愛い女の子が最後の一手になったことは認めよう。
古きよき装束をわりと愛しているし。俺好みだったことも一理ある。
――だけど、本でもビデオでもでーぶいでーでもなく、カップラーメンだぜ?
エロ自販機に三千円のカップラが売ってるんだぞ!?
気にならないわけないよな?
つい魔がさしちゃったよ。俺……
それで本気であのエロ自販機、カップラを吐き出してきやがった。
多少重みがあったので、僅かな期待を込め振ってみる。
からからから。
普通にかやくとインスタント麺の音しかしやがらねぇ……
俺は落胆していた。
まるで裏ビデオだと思って買った商品が、ばりばりぼかしまくられていた時の心境に酷似している。
カップラのサイズは、カップラーメンの王様『カップヌードル』のBIGサイズと同じくらい。
ピンクのファンシーなデコ文字で『姫ラーメン』と書かれていた。
ちなみにメーカーは×(チョメ)ちゃん。舌を出した丸顔キャラの目玉がバッテン。
明らかに某カップラメーカーのエセブランドじゃねぇか。マルをチョメに変えただけって、芸がねぇ……
なんだか馬鹿馬鹿しくなってきて、口元が哀笑を浮かべ始める。
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