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「さて、これを何処に飾ろうか?僕の家は鏡でスペースが埋っているし。花園の別荘…駄目だ、毎日愛でられるべき僕が期間限定になってしまうっ!」
「き、期間限定って…」
あの別荘は今のところ夏期休暇のみに利用されてるからだろうか、面白い例え方に笑いが込み上げてくる。
「そうだ智基!君の家の玄関先なら広々していて誰もが目にできる!どうだろうか?」
「いやいや、入りざまにお前の顔を見たら皆倒れちゃうから」
いろんな意味で。
面倒に巻き込まれるのは御免だからハッキリ言いはしないが。
頼むから、名案だ!みたいな顔でこっちを見ないでくれ。
「ムムッ、そうか。入って早々に僕の美貌に当てられてしまうのか。あぁ、やはり僕はなんて罪深い男なんだろう!」
いかにも練習したかのようなポージングで悩む美樹に彼の親衛隊が名案――基、余計なことを口にした。
「でしたらこの教室や学校の踊り場はどうでしょう?夏期も部活に来る生徒がいますし」
「おお、それは名案だ!では早速この教室に飾るとしよう」
「「お手伝いします」」
事無かれ主義なうえ面倒事が嫌いな俺は、SOSを発しているクラスメートたちを心を鬼にして、敢えて無視した。
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