継母のような彼

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  「みんなおはよう、じゃあ早速ホームルームを……って!何だアレは?!」 入って早々、担任が驚くのも無理はない。アレとは先ほどのアレだ。指差す先には二メートルもの美樹君画。 だから言わんこっちゃない。担任は今にも倒れそうだ。 「―――は、花園ぉっ!今すぐ撤去しろっ、今すぐにだっ!」 「なんとっ!先生はこの芸術品を取り外せとおっしゃるのですか?なんてセンスの無い」 「お前にセンス云々を説かれても痛くも痒くもないわ!あーもう良い、お前が外さないのなら俺が外す!」 教室の一番後ろまで行き、肖像画を取り外そうと躍起になる。 「なっ!何だこれは」 「瞬間接着剤と釘ですが何か問題が?」 「大有りだ馬鹿!学校の所有物に勝手を働く奴があるか!」 その後もグウッと全体重を掛けて外そうとしたが、ほんの数センチしか剥がれなかった。 「くそっ…青木と近衛、それと弓沢も。ちょっと一緒に引っ張ってくれ!」 ガタイの良い奴ばかり呼ばれたものの“えっ、弓沢様も?”と囁かれた。 …まぁその通りだ。 俺は問題事には首を突っ込まない主義だ。  
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