純粋

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数ヶ月・・・時が経つにつれて、俺の周りにも少しづつ変化が訪れた。 「カルト!」 俺はいつもの庭の手入れをしていたが、手を止めて声の方へと振り向いた。 「ああ、坂下さん」 彼女は小走りで俺に駆け寄ると、意地悪く微笑んでいた。 「庭の手入れ終わったら暇でしょ?部屋に寄っても良い?」 俺は視線を戻し、再度庭の手入れを始める。 「良いですよ、」 俺の素っ気ない返事にも隣でオーバーに喜びはしゃぐ坂下さんに、俺はつい苦笑いが出る。 「カルトが好きそうな小説買ってきたのよ!絶対気に入るから!」 小説と聞いて、俺は坂下さんに振り向く。 「あ、ありがとうございます」 「良いの!良いの!じゃあ部屋で待っててね!私も葵とお茶してから向かうから」 娯楽の無い屋敷での楽しみの一つが読書。勿論俺は買い物にも行かないので、彼女が気を利かせて時々買い与えてくれていた。 葵様と同じ歳で、親戚らしいのだが。 歳が近い事もあって、葵様の話し相手にと、よく屋敷を訪れていた。 人見知りしない明るい性格。でも葵様はあまり興味を示さなかったらしい。
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