純粋

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カルトは汗を拭う。 それを見下ろす私には、今までの甘美な感情はソコには無い。 その汗は私のモノでは無いのか?坂下と何を話していたのだ?その笑顔は何に向けられているのだ? 私は無知だった。 このカルトに向けられた感情は、放置して育つモノでは無いのだ。 草花と同じ、水を与え光に晒さなければ華麗な華とは成らない。 でも、 「雑草は・・・邪魔になるな・・・」 私の口元が歪む。 先程とは別の恍惚感が胸に渦巻いてくる。 どうすれば、カルトを私だけのモノに出来るのだろうか。 カルトを監禁する・・・それでは駄目なんだ。 カルトの周りを奪い侵食する。私以外の全てを奪うことが最良の道。 カルトを振り向かせるのでは無い、カルトが振り向く事に意味が有るのだから。 坂下の明るく屈託の無い笑顔、あれが恐怖と後悔に歪み狂う。 想像しただけで身体の芯が熱くなり、言い知れぬ衝動が込み上げてくる。
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