幼馴染み

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「ねー、凪はいつもあいつと一緒にいるよね。付き合ってんの?」  放課後の教室。クラスの友人、咲が話しかけてきた。あいつ、っていうのは、きっと私の幼馴染みの事だ。あいつで分かっちゃうのは不思議なもんだね、まったく。  私は窓際に頬杖をついて、沈んでいく夕陽を横目で眺めながら、ため息を一つついた。また勘違いされてる。私は何度この間違いを訂正すればいいのだろうか。 「そんなんじゃないよ。あいつはただの幼馴染み。気がついたらあいつが勝手に隣にいんの。それだけ。」  それに、私とあいつの間にはそんな甘酸っぱい関係はないし。あるとしたら、ただの腐れ縁だけだね。  そう続けると、咲は玩具をとりあげられた子供のような顔をした。  何よ、その顔。すっごい不満そうなんだけど。勘違いされた私の方が不満だわ。 「ふーん、なーんだぁ……。 つまんないのー。せっかく期待したのになー……」  
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