もう一つの恋

きっかけ

ゆきが奥に引っ込んでいる時に客が来た。

｢いらっしゃいませ～｣

自分でも笑えるぐらい、やる気のない声。

入ってきた客は女だった。

その客はパンと野菜ジュースだけを取ってすぐにレジまでやって来た。

いつも通り金を受け取って釣りを渡す。

｢２６０円のお返しになります｣

次に袋を渡して礼を言ったら、

｢ありがとう｣

なんと客も礼を言ってきた。