第一夜  天職

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「フハハハ、このオレについてこれるかな!?」 屋根から屋根へと華麗に跳び移るオレの動きに翻弄され、 全く手が出せない騎士達。 このまま逃げおおせれるんじゃね? とか思ったけど、やはり現実はそんなに甘くはない。 大歓声と共に、 騎士のエリート中のエリート、青薔薇騎士隊が到着したのです。 青い薔薇の刺繍が入った純白のマントを靡かせ、 颯爽と現れるその姿はまさに騎士の鏡。 王国一のイケメン+実力者集団が、 オレ1人を捕らえるためだけに来ちゃいました。 ・・・・お前らはオレをどうしたいんだ? 「極悪人レオンハルト・スターダストに告ぐ。 罪なき民を傷つけるとは、 真に許しがたき事なり。 貴様の蛮行にてどれ程の民の涙が流れたと思っているのだ?」 青薔薇騎士隊の隊長が、 一歩前に出て静かに語りかけてくる。 「しかし、罪を許すのもまた我らの務めなり。 今ならまだ間に合う。 大人しく投降しろ。」 「おい、いつの間にオレはそんな極悪人になったんだ?」 オレのツッコミは虚しく、 隊長は話を続ける。 「まだ抗うというのならば・・・」 その瞬間、青薔薇騎士隊は見事に揃った動作で剣を抜き、 天に掲げた。 「この王より預かりし剣にて、 正義の鉄槌を下してくれよう!! 民の明るい未来は我らが守る!!」 町中から上がる大歓声。 そしてオレに対する罵倒の数々。 青薔薇騎士隊の目には明らかな敵意が燈っており、 どう見ても、今ここで大人しく投降したとしても許してくれる訳がない。 ねえ何なの? 君達何なの一体? オレをどうしたい訳? 「すいません、いやほんとマジで。 今すぐ投降するんで、 そういう物騒なものはしまってくれませんか?」 「青薔薇騎士隊、進め!!」 「聞けよ。」 オレの言葉なんか聞く気もないらしく、 青薔薇騎士隊は魔法を使い、 次々とオレがいる屋根の上に上がってくる。 「言い遺す言葉はないか?」 「え、あれ死ぬの? オレここで死ぬの?」 いやいや、捕らえるんじゃなかったの? 「さあ、覚悟しろ。」 オレを取り囲み、ジリジリと近づいてくる騎士達。 ・・・・もういいよ。 もうオレはツッコまないよ。  
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