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「・・・・やってやるよ。
お前らがその気ならやってやるよ!!
掛かって来いや!!」
勇ましく青薔薇騎士隊に啖阿は切ったものの、
ビビりなオレは既に涙目。
はいそうです。
やけくそなんです。
「さあ奏でようか(オレの)鎮魂曲〔レクイエム〕を。」
オレが剣を抜こうとする仕草をすると、
騎士達は身構え、いつでも応戦できる体勢に入る。
フッ、安心したまえ。
どうせ何もできないから。
オレの手が剣を掴んだ瞬間、
騎士達の間に雷のように緊張感が走る。
そして剣が抜き放たれる・・・
「ハッ、馬鹿共め!!
これでも喰らえ!!」
というのはフェイントで、
オレは素早く袖の中に仕込んである、
レオンハルトマル秘アイテムその①、
【閃光蛍】を取り出し、下に叩きつけた。
閃光蛍は強烈な光を放って破裂し、
一時的に騎士達の視力を奪った。
「ぐぁっ!!」
「目が、目がぁぁぁ!!」
まばゆい光により視力を奪われた騎士達は、
苦しみの声を上げ、その場で目を押さえる。
「落ちろバーカ!」
オレは動けない騎士達を、
回し蹴りで屋根の下へと蹴落とした。
正々堂々?
何それ美味しいの?
「貴様、それでも男か!?
男ならば、正々堂々と闘うべきだろうが!」
屋根に飛び乗ってきた青薔薇騎士達の隊長が、
蹴落とされた自分の部下達をみて激昂する。
「いやいや、考えてみ?
お前らは正々堂々とかなんだとか言えるだろうけど、
オレの今の立場からしてそんな事言ってる場合じゃないから。
オレはいつも生きるのに精一杯だから。」
それに残念ながら、オレは闘いでの美学なんて持ち合わせてないんでね。
「容姿から何まで気に喰わない男だな。
せめて我が剣の錆にしてくれよう!!」
そう言って剣を抜き、斬りかかろうとするが・・・・
「フッ、まずはその頭を鍛えてから出直してくるんだな。」
オレの足払いにより、青薔薇騎士隊の隊長は、
無様に下へと落ちていく。
「こんな傾斜で足場が悪い所に、
そんな装備で来た事が間違いだったな。
王国一と名高い青薔薇騎士隊も、
こうして見ると腕っ節だけの、
頭が足りない馬鹿の集まりに見えるな。」
やべえ、今のオレ超イケメン。
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