第一夜  天職

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ゴレンジャイ それは1人1人が一つの属性魔法を極めた、 5人の賢者の呼び名。 正式名は五賢者なのだが、 呼びやすいというので、一般的にはゴレンジャイと呼ばれている。 こんな泥棒1人を捕まるのに、 ゴレンジャイを出動させるとか・・・・お前らマジで何がしたいんだよ。 これで人違いだったら、 もう笑うに笑えないぞ。 『ゴレンジャイ! ゴレンジャイ! ゴレンジャイ! ゴレンジャイ!』 兵士達が異口同音にゴレンジャイを連呼する。 屋内退避をさせられていた民間人もゴレンジャイを一目見ようと家を飛び出し、 兵士達に加わってゴレンジャイの名を呼ぶ。 もうね、なんかね、どうにでもしろって感じだよ。 「さあ行くぞ!! 貴様の首を取り、我らが正義を示してくれよう!!」 そう言って一際高い建物から飛び降りたのは、 赤いローブを纏うゴレンジャイのリーダー、 火の属性を極めた賢者アカレンジャイ。 「リーダーに続くぞ!!」 次に飛び降りたのは、 青いローブを纏うゴレンジャイの副リーダー、 水の属性を極めた賢者アオレンジャイ。 「正義の名の元に!!」 次は茶色のローブを纏う、 何か名前がしっくりこないと言われる、 土の属性を極めた賢者チャイレンジャイ。 「我が雷を以って裁いてくれよう!!」 一々格好つけるなと言いたいが、 次はゴレンジャイで一番の威力を誇ると言う、 黄色のローブを纏う、雷の属性を極めた賢者キレンジャイ。 「風よ、私に力を貸してくれ。」 ラストはゴレンジャイきってのイケメンで、 泣かせた女は星の数とも言われ、 またゴレンジャイ随一の戦闘力を持つ、 緑色のローブを纏う風の属性を極めた賢者ミドレンジャイ。 このオールスターに対するは、 逃げ足だけが取り柄の夢を求めるトレジャーハンター。 そしていつの間にか、 オレを取り囲む青薔薇騎士隊達。 フ、そろそろこの喜劇も終曲〔フィナーレ〕としようか。 そしてオレの人生に幕を下ろそうか。 「抜け、最後は剣士として逝かしてやろう。」 「誇りを持って死ねるのだ。 男として最高の死に方だろ?」 オレの前に威風堂々と立つゴレンジャイ。 その姿はまさに英雄と呼ぶに相応しいもの・・・・じゃなくて、 オレどうするの?  
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