第二夜 傀儡師

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「コーリア王国将軍の、 モーガン・レラクトルだ。 まさか貴様のようなこわっぱの相手を勤めるためだけに、 この儂が呼び出されるとはな。 まあやるからには全力でやらせてもらう。 後始末が大変だから、 壊れてくれるなよ?」 「すいません、腹痛いんで棄権します。」 王妃の言葉でオレの実力を試す事となり、 伝説を相手にしてきたのだから、 相手もやはり伝説に近い人物が良いとクリスが言い、 今は軍を引退して隠居生活を送っている、 獣神とまで言われた伝説の将軍、 モーガンが呼び出された。 ハァ、一体何がしたいんだか。 「急遽呼び出して悪いなモーガン。 次世代の勇者を導く者の実力を試すために、 お前の力を貸してほしいのだ。 お前があと10若かったら、 この役目はお前だったのだがな。」 臣下ではなく、 親友に対するような様子で話し掛ける国王。 モーガンも元将軍ではなく、 やはり親友といった様子で答える。 「それは悔やまれるな。 その3人は儂の子供のようだったからのぅ。 では、早速その者を試すとしようか。 儂の代わりとなるかどうか、 この目でしかと見届けてやろう!!!」 モーガンは腰に提げていた大剣を抜き放ち、 闘気を全開にし、戦闘体勢に入る。 その双眸は猛獣のように鋭く、 2m近い巨体も相まって、サイクロプス(危険度10)のように見える。 オレ涙目。 「さあ早く抜けこわっぱ! それとも足がすくんで動かないのか?」 「何でも力で解決するのは良くない。 まずは紅茶でも飲んで落ち着いて、 話し合おうじゃないか(棒読み)。」 「行くぞ!!」 当然話し合いに応じる訳がなく、 モーガンは全身に身体強化魔法を施し、 風を体に纏わせて機動力を何倍にも上げ、 その上剣から炎を噴出させた。 3つの魔法を詠唱破棄で同時展開ですか。 もうオレの負けでいいからさ、 止めてくれないかな? そんなオレの思いは虚しく、 モーガンは残像が残る程のスピードで向かってくる。 「全て焼き尽くして灰にしてくれよう!!」 突き出されたモーガンの剣から更なる炎が噴出され、 炎の光線のように迫り来る。 いきなり必殺技級とか・・・乙
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