第三夜  魔王軍獣族軍団長襲来

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「・・・・・フ、虚しいぜ。」 オレの目の前で繰り広げられているのは、 過去の英雄の直系である今世代の勇者3人と、 この場に不釣り合いなメイド服を着たリンの4人が、 魔王軍と名乗るモンスターの集団を相手に闘う光景。 何故リンがメイド服を着ているかと言うと、 何か歌って踊って闘えるスーパーアイドルになるための第一歩だそうだ。 しかもリンのメイド服は戦闘用に動き易く改良されていて、 魔力を流せば鉄の硬度になるらしい。 そうか、オレの知らないところでメイドは進化していたんだな。 一昔前は萌え要素とか言われてたけど、 今は主人の世話をしていざという時は主人のために闘う超人的な存在になっていたのか。 ああ、話戻すとね、 ほんとアウェー感がぱない。 皆必死で闘っているって言うのに、 一人だけポツンとただ傍観しているこの状況。 一応あの大群だしオレも戦闘に参加しようと思ったら、 4人にオレはここで見てろって言われたし。 何か戦力外通告のように聞こえるんですけどね!!! でもね、戦闘に参加しなくても良いって事は、 死ぬ危険性がなくなる訳だし!! 『ァァァァァ!!! 血が、血がぁぃぇぁぁぅあいぁぁあぁぅぁいぁぁぇいぁぁぁあ!!!! レオォォォォォォン!!!』 それにラウドの仕置きにもなりますしね!!! そうじゃん、やっぱオレ闘わなくて良いんだよワッホイ!! そんなこんなしている内に、 さっきまで500はいたモンスターの大群が、 10分の1くらいにまで減ってしまっていた。 おかしいなおかしいな。 何で皆上位魔法を連発できるのかな? 勇者直系の3人はともかく、 リンなんてオレと同じ先天性なのに、 何で賢者並の魔力があるの? 何で憑精霊がいるの? オレなんて身体強化魔法すら使えないのによ。 オレも魔法バンバン使ってみたいぜ。 憑精霊が欲しいぜ。 「皆、下がって!! 雷電、エレクトリックナーガ!!!」 リリーの指示に小さくいなないて答えた雷電は、 角の先端に雷を集めて球体状にし、 それを天に向かって放出した。 途端快晴だった空に暗雲が立ち込め、 そこから何百という雷の鎗が降り注ぐ。 それにより残っていたモンスターは全て塵と消えた。 はい、どう見ても物語の勇者の技です。 本当にありがとうございました。
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