俺で解決。俺が対決。その②

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「……確かに。鈴木。『まだ』とはどう言うことか説明してもらおうか」  おじさんのその言葉でここに流れる緩んだ空気がまた一瞬にして張り詰める。  一番張り詰めてるのは俺だけどねぇぇぇぇ。 「はい。唯はここ一か月神田さんに毎日ごはん作って、家事全般を手伝ったりしています。一緒にお風呂に入ったこともあり就寝を共にしたこともあります。もうそれはそれは熱心に。それに、唯は先ほど神田さんに告白していて返事待ちですので、『まだ』と言う表現を使用しました」  は、わ、わ、へ……。え?  鈴木さんはなぜ、そんなことまで知ってるんですかぁぁぁぁあ!!  咄嗟に水澤の方に視線をやると、水澤は顔面蒼白。いや、多分俺も顔面蒼白。 「――っ!! もうっ……やだぁぁぁ!!」 「水澤っ!?」  両親に挟まれた状態から軽やかに脱出した水澤は脱兎のごとく部屋から飛び出した。  まぁ……年頃の女の子が両親の前でこんな話暴露されてたらそうもなるよ……。てか、俺もいますっげー恥ずかしい。あと、怖い。  俺も逃げたい――いや、逃げよう。水澤のことも放っておけないし。 「待て」  水澤の後を追おうと体を反転させようとした瞬間、おじさんに声で釘を刺される。  この状況でおじさんの言葉を振り切って逃げ出す度胸はない。……おじさんの言葉を聞く勇気もないんだけども……。 「お前――神田と言ったかの。唯のことを追いかけるのは構わんが、その前に神田は唯のことをどうするつもりか、ワシに教えてもらおうか」  
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