2.考え方

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次の日の朝、いつもの腹痛に耐えつつ嫌々登校すると、私の席の辺りに人だかりができていた。そのほとんどが私を良く思っていない女子だ。 (なんだろう。もしかして、また新しいいじめ…とか?) 私は恐る恐る、その人だかりに近づいてみた。 だが、うれしいことにその予想は外れてくれた。 騒ぐ女子たちの中心にはサナちゃんがいて、周りの子たちと楽しそうに話している。 「まだほとんど見てまわってないの?」 「じゃあさ、今度一緒に遊びに行かない?近くにオススメのショッピングモールがあって、そこの三階にある――」 (すごいなあ。昨日転校してきたばかりなのに、もうあんなに人気者になってる…。) 私以外の子たちとも打ち解けているサナちゃんの様子を見て、なんだかほっとしたような、それでいて少し寂しいような複雑な気分になる。  
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