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(最初からこのクラスにいる私よりも、昨日来たばかりのサナちゃんの方がよっぽどクラスの一員みたい。しかも、私の席も人だかりに囲まれてるし。あれじゃ自分の席に近づくこともできない…。)
自分の席だけは唯一の居場所だと思っていた。
けれどその場の光景を見たとき、もうここに居てはいけないように感じた。
(家、帰っちゃおうかな…。)
気分が沈み、回れ右をして引き返そうとしたときだった。
「あ、ハルちゃん!おはよう!」
突然、人だかりの中心から、明るい声が聞こえた。
大勢に囲まれていたのにも関わらず、サナちゃんは私に気付いてくれていたのだ。そのことに驚きはしたが、そこにはうれしさも混じっていた。
取り巻きの子たちもまた驚き、一斉に私へ視線を向けたため、少しひるんでしまう。
しかしサナちゃんはそんなことにもお構いなく、笑顔で小さく手招きをする。
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