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彼女たちが十分離れたところで、さっきから疑問に思っていたことを小声で聞いてみる。
「サナちゃん、あの…さっきの勉強の話って―」
「え?あ、うん。実は前の学校と授業の進み方が違ってたみたいで…。それで、ハルちゃんに教えてもらおうと思って。ほら、昨日先生が言ってたでしょ?わからないことがあったら何でも聞きなさい、って。それに―」
そこまで言い、いたずらっぽく微笑みながら続ける。
「あのままだと、ハルちゃんが席に座りに来れないだろうなーって。」
サナちゃんはさらりと言った。
けど、私はその何気ない気遣いがうれしかった。
そして、彼女たちをあんなに簡単に思い通りに動かしてしまったことに、心から感心した。
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