1.出会い

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だが、そんなひねくれた私の考えなど担任が知るはずもなく、転校生に言った。 「じゃあ、あそこの席に座ってくれ。山中の後ろな。」 (えっ…!?) ぼうっとしていた最中に急に名前を呼ばれ、どきりとする。 「ほら、あそこの窓際の一番後ろ。その前に座ってるのが山中だ。いいヤツだから、わからないことがあったら何でもアイツに聞きなさい。」 担任は腕組みをしながら、うんうんと頷く。 途端、ふつふつと怒りがわいてきた。 (勝手なことばっかり言って…、何が「いいヤツ」よ!私がいじめにあってるって知ってるくせにっ…!)  
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