1.出会い

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せっかく声をかけてくれたのに、嫌な気分のままぶっきらぼうに答えてしまったことを後悔した。 (どうしようっ。気を悪くしないように、もっと明るい感じでしゃべらないと…!) 「だ、大丈夫だよ!ごめん、ちょっと今ぼうっとしてたかも…。」 「そっか。ならよかった。」 嘘っぽく聞こえたのではと心配したが、彼女はすんなり納得してくれたようだ。その様子を見て、ほっと胸を撫で下ろす。 「それで、その…山中さんのこと、どう呼べばいい?」 「えっ、呼び方?」 そんな風に聞かれたのは初めてだったせいで、少し戸惑ってしまう。 (普通に「山中さん」でいいのに。ニックネームみたいなので呼びたいってことなのかな…?)  
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