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「おーいお前死んだのか?」
グッと顔を近付けてくる。
「いっいやいいいっ生きてますっ!!」
びっくりしてかおを隠す。
(なんなのーこの男!!)
「なんなのなんてお前一年のくせに失礼だな。」
「うぉっ!!」
やっばー!また声に出してた。
「まぁいいけど。てかそれなに??」
「ななななんですか?」
「そのオルゴールだよ。」
「あぁ。」
――――――――――
――――――
――――
――
―10年前。
当時りえ7才。
「おかぁさーーんどぉこぉ?泣」
旅行先で迷子になっていた私。
「りえー!!!りえどこー!」
「あっおかあさーん!!」
「りえっ!!もうどこいってたの!」
「だってだってー!!うわーん泣」
そう私が泣きだすといつも頭を撫でて、いつもの歌を歌ってくれた。つられて私も涙なんかひっこんでお母さんと一緒に歌った。そんないつも優しいお母さんが大好きだった。
「よしっ。りえも泣きやんだ事だし!早くバスのってオルゴール作りにいこっ!」
「うんっ♪」
今日の旅行はお母さんがたまたま福引きで当てた一泊二日のバスツアーで、最後にオルゴールを作れるという企画があった!!
ぎりぎりでバスツアーのバスに乗り込み、バスが出発した。
オルゴールを作れる場所は山の上にあり、行くのは少し距離があった。
私はお母さんと小学校のクラスメートの話で盛り上がっていた。
「りえは好きな人とかいないの??」
「いないよ。みんなかっこよくないもん。」
「うそつけー。あっりえみて!!りえのとなりの後ろの男の子。あのこかっこいいぢゃん!!」
うしろをみてみると、いかにもお坊っちゃまみたいな子が座っていた。無愛想で、俺はなんでこんなとこにいるんだみたいな顔をして。 でも目は綺麗な宝石が入ってるかのような目をしていた。
「りえあんな無愛想な子きらい!!」
「りーえ。そんなこといっちゃダメでしょ」
ーえーえー。オルゴールの工場に着きました。みなさんおりてくださーい。ー
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