第八章 学生寮

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「言った筈だ。俺は己の力のみで生きてきたと。 そもそも味方だの仲間だのと言うものは弱いから必要になるんだ。強者には必要ないものだ。」 「それは違うぞ、どんなに力があろうと人は一人では生きられない。 様々な人達の力があって、互いに助け合う事で生きているんだ。 お前も何らかの形で助けられてる筈だ。」 「助けられた事などない。 仮にあったとしても、それは俺がまだ弱かったからだ。 今の俺には不要なものだ。」 「確かにお前は強い。同世代の中ではトップクラスだ。 たが、強さとはそれだけじゃない。心の強さも力のうちだ。 本当に強い者は人に優しく出来るものなんだ。」 「それだけの余裕があるという事だろう。」 「そうじゃない。 それとは別の事なんだ。 今までお前の周りには、そういう者がいなかったのだろう。 だが、世の中にはそういう者もいるんだ。 強くて優しい者が。 この二人もそういう強さと優しさを持っている。」 リオンとルリを、そう評価した。
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