第二章 目覚め

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ディエスも最初の頃は避けようとしたり、泣き叫んだりしたが、二人はそんなディエスを見てあざ笑っていた。 そんな事が繰り返されるうちに、次第にディエスは反応しないようになっていった。 そういう対応をすれば、余計に面白がって繰り返し魔法を浴びせてくるのに気付いたからである。 この日も練習と称して何度も魔法を浴びせたが、さしたる反応を見せないことに飽きてきて、 「お兄様、今日はこれくらいにしましょう。」 「そうだな。」 以前に比べて短い時間で切り上げた。 「少しは反応しないと面白くないでしょう。」 「一族の汚点であるお前が俺達の役にたてるんだ。ありがたく思ってそれらしい反応をしろ。」 口々に吐き捨てるように言い放つ。だが、ディエスは何の反応も見せなかった。
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