4628人が本棚に入れています
本棚に追加
/448ページ
次の瞬間、ディエスを中心に爆発したかのように衝撃が広がった。その衝撃に、獣は一気に弾き飛ばされた。
これまて感じた事の無い程の死への恐怖と生への渇望。
その思いがこれまで眠っていた力を呼び覚ましたのだ。
「なんだ、この感覚は。」
ディエスは体の中から力が湧き上がってくるのを感じていた。
「これが魔力なのか。」
湧き上がってくる力を感じながら自問していた。
だが、理屈抜きに感じていた。これは魔力ではない。何か別の力だと。
ふと前を見ると、獣が起き上がってこちらを窺っていた。飛びかかるか逃げるか迷っているようにみえる。
「試してみるか。この力、どの程度のものなのか。」
起き上がって獣を見据えながら、力を目の前に集中していた。誰に教わった訳でもないが、自然と感じていた。
この力はこのように使うのだと。
目の前に黒い球体が浮かび上がって、少しずつ大きくなっていった。そして、ある程度の大きさで止めて、獣に向かって放った。
最初のコメントを投稿しよう!