第二章 目覚め

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次の瞬間、ディエスを中心に爆発したかのように衝撃が広がった。その衝撃に、獣は一気に弾き飛ばされた。 これまて感じた事の無い程の死への恐怖と生への渇望。 その思いがこれまで眠っていた力を呼び覚ましたのだ。 「なんだ、この感覚は。」 ディエスは体の中から力が湧き上がってくるのを感じていた。 「これが魔力なのか。」 湧き上がってくる力を感じながら自問していた。 だが、理屈抜きに感じていた。これは魔力ではない。何か別の力だと。 ふと前を見ると、獣が起き上がってこちらを窺っていた。飛びかかるか逃げるか迷っているようにみえる。 「試してみるか。この力、どの程度のものなのか。」 起き上がって獣を見据えながら、力を目の前に集中していた。誰に教わった訳でもないが、自然と感じていた。 この力はこのように使うのだと。 目の前に黒い球体が浮かび上がって、少しずつ大きくなっていった。そして、ある程度の大きさで止めて、獣に向かって放った。
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